May 20, 2025
USPSが再び送料値上げを発表、日本からの米国配送にも影響か
2025年7月13日より、米国郵便公社(USPS)は複数の主要配送サービスに対し、新たな送料値上げを実施する予定です。今年1月に続く年内2度目の改定となり、越境EC事業者にとっては再び物流コストの見直しを迫られるタイミングとなります。
今回の発表は、USPSが進める10年改革計画「Delivering for America(アメリカのための配送)」の一環として行われるもので、米国内外を含めた郵便・物流インフラの近代化と財務の持続可能性を目的としています。USPSは今後も市場の動向に応じた価格調整を継続していく姿勢を明らかにしており、日本のEC事業者にとっても他人事ではありません。
USPS、2025年2度目の送料改定へ
USPSは5月9日、2025年7月13日からの新料金体系を規制当局へ提出しました。これは2025年に入ってから2回目の送料改定であり、以下のような価格上昇が予定されています。
サービス名 | 7月改定幅 |
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Priority Mail® | +6.3% |
USPS Ground Advantage® | +7.1% |
Parcel Select® | +7.6% |
Priority Mail Express® | 変更なし |
今回の改定には以下のような重要なポイントがあります:
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主なサービスカテゴリの値上げ内容
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Priority Mail®(優先配送):+6.3%。中小規模の荷物の迅速な配送を提供。
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USPS Ground Advantage®(地上輸送の経済型サービス):+7.1%。中小EC販売者への影響が大きいと予測されます。
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Parcel Select®(大口配送):+7.6%。主にUSPSと契約している大規模ECプラットフォームが対象。
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小口・商用の送料差異
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個人や小規模販売者向けの「小口料金」は**7.3%〜9.8%**の高めの値上げ幅。
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企業契約を結んでいる「商用料金」は**4.7%〜5.1%**と抑えられています。
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この差異は、USPSが今後BtoB市場への注力を強化し、スケールメリットによるコスト削減を企業に促していることを示しています。
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YunExpress(雲途物流)は今のところ価格維持
弊社雲途物流は現在のところ、米国路線の価格を変更しておりません。ただし、今後のUSPS動向や燃油コスト、市場の需給バランスを総合的に考慮し、必要であれば柔軟に対応する予定です。その際には事前に十分な通知期間を設け、販売者の皆様の業務調整にご協力いたします。
コスト意識の再確認を
変動の激しい物流環境の中で、販売者は以下の点にご留意ください:
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送料の構成要素を再確認し、定期的に見直す
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標準サイズの梱包を意識して追加費用を回避
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USPS以外のルートや集荷サービスとの併用検討
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自社の「送料無料」戦略の持続性を見直す