February 13, 2025
【解説】アメリカの輸入関税の計算方法を徹底解説!
2025年、米国政府は中国・香港を対象とした関税政策を大幅に強化しました。特に注目すべきは、これまで800ドル以下の商品に適用されていた「T86通関方式」(いわゆる小額免税制度)の廃止と、原産国によって異なる**「対等関税(リタリエーションタリフ)」**の導入です。
しかし、日本からの出荷においては必ずしもすべてが影響を受けるわけではありません。本記事では、日本のセラーが知っておくべき「新関税政策のポイント」と、「関税がかかるかどうかの判断基準」「原産国ごとの適用例」についてわかりやすく解説します。
🔍 米国の新関税政策のポイント
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T86通関方式の廃止(中国・香港原産のみ)
→ **日本製品は対象外。**800ドル以下であれば引き続きデミニミス制度の免税対象となります。 -
対等関税(リタリエーションタリフ)の導入
→ 商品価格が800ドルを超える場合、原産国ごとの関税が発生。
→ 日本製品は現在のところ追加関税の対象ではありませんが、中国製やその他一部国には高額な関税が課されます。 -
通関強化(HSコード、用途、材質等の厳格審査)
→ 申告不備により貨物が差し押さえられるケースが急増中。特に中国製品については注意が必要です。
📦 関税がかかるかどうかの判断基準
商品の条件 | 関税発生有無 | 備考 |
---|---|---|
800ドル以下 + 日本製 | ❌ 無税 | デミニミス制度が適用される |
800ドル超 + 日本製 | ✅ 一般税率 | 現在は追加関税なし |
中国・香港製 + 価格不問 | ✅ 最大145% | T86撤廃 + 対等関税対象 |
その他の国製(例:イタリア) | ✅ 原産国により異なる | 最大10%の対等関税が適用 |
💡 関税計算の具体例
例①:イタリア製ハンドバッグ(500ドル)を日本から発送
→ デミニミス制度適用(800ドル未満)→ 関税なし
例②:イタリア製ハンドバッグ(1,000ドル)を日本から発送
→ 原産国イタリアに対して10%の関税適用 → 100ドルの関税発生
例③:中国製掃除機(150ドル or 1,000ドル)を日本から発送
→ 原産国が中国のため、145%の関税 → 217.5ドル〜1,450ドルの関税発生
例④:米国製トレーディングカード(1,000ドル)を日本から発送
→ 原産国が米国のため、関税ゼロ(対等関税適用外)
✅ 日本セラーが今すぐ取るべきアクション
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商品の原産国を再確認し、輸出時に正しく申告(特にHSコード)
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800ドル以下の商品ラインナップを強化し、デミニミスの枠内で販売強化
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中国製品の取り扱いには要注意:コストシミュレーションの見直しを推奨
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信頼できる物流パートナーと連携し、常に最新の通関情報を把握