June 10, 2025
次なる電商ブルーオーシャン|中東市場の成長性・課題・ビジネスチャンスとは?
石油と宗教の中心地として知られる中東地域が、いま世界のEC業界で新たな注目市場となっています。若年層の多さ、高いGDP、SNSの浸透、そして各国政府のデジタル経済推進政策により、多くの越境EC事業者がこの地域に注目しています。
急成長を続ける中東EC市場の現状
最新の市場データによると、2023年における中東のEC市場規模は290億米ドルに達し、2028年には500億ドルを超える見込みです。特にサウジアラビアとUAE(アラブ首長国連邦)は、地域全体の取引額の70%以上を占め、年成長率はサウジで25.8%と驚異的な伸びを見せています。
注目すべきは、市場の「潜在力」です。中東のEC浸透率は現在わずか10%前後で、世界平均の19%を大きく下回っており、今後さらなる拡大が期待されます。
主な購買層は「若く、購買力があり、SNSに強い」
中東地域の人口の60%以上は30歳未満で、平均年齢はわずか25歳。このデジタルネイティブ世代は、InstagramやTikTok、Snapchatを日常的に使用しており、インフルエンサーの影響力も非常に強いのが特徴です。
加えて、GCC(湾岸協力会議)加盟国の一人当たりGDPは2万ドルを超え、UAEやカタールでは5万ドル以上にも達します。高級品やブランド品に対する需要が高く、ファッション、美容家電、ガジェットなどが人気カテゴリーとなっています。
EC展開のハードル:「決済」と「物流」
大きな可能性を持つ一方で、中東市場には2つの主な課題があります。それが「決済手段の多様化」と「物流の複雑さ」です。
中東では依然として「代引き(COD)」が使われている国も多く、注文キャンセル率の高さや現金回収のリスクが課題となっています。さらに、住所体系が未整備な国も多く、配達ミスや遅延が頻発しています。
これらの課題に対し、ローカルの決済手段(MADA、STC Payなど)への対応や、現地物流パートナーとの連携が重要です。また、プラットフォームに依存しない「独立型ECサイト」の活用により、事業者自身が柔軟に市場に適応する方法も広がっています。
行動喚起のタイミング:宗教行事と文化を活かす
中東でのマーケティング成功の鍵は「文化的な理解と尊重」です。ラマダン月やイードなどの宗教的な行事では、夜の買い物需要が急増します。特にギフト需要が高まり、贈答用セットやインテリア雑貨の販売が伸びます。
また、地域ごとの色彩やデザインの好みにも注意が必要です。UAEでは赤や金、緑など鮮やかな色が好まれ、サウジではオレンジやピンクなどの活発なカラーが人気です。商品開発やクリエイティブ制作にも、現地の嗜好を取り入れる工夫が求められます。
雲途物流、中東路線を正式開通!
このような中東市場へのニーズの高まりに応え、雲途物流(YunExpress)は2025年5月中旬より、中東向け物流専用路線を正式に開始しました。
当社の中東路線は、UAE・サウジなど主要国をカバーし、通関支援、現地配送、全段階トラッキングを組み合わせたワンストップの物流ソリューションを提供。越境ECにおける配送の課題を大幅に軽減します。
中東市場の進出をご検討中の企業様は、ぜひ雲途物流までお気軽にご相談ください。