May 15, 2025

カナダ郵便ストライキ間近:越境ECへの影響と対策

2025年5月22日、カナダ郵便(Canada Post)が再び全国的なストライキに突入する可能性が高まっています。昨年末の大規模ストライキを記憶している日本の越境EC事業者にとって、今回の動きは無視できないリスクとなっています。本記事では、ストライキの背景、想定される影響、そして雲途物流がすでに講じている対応策をご紹介します。

 

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 1.ストライキの背景と交渉経緯

今回の労使対立は2023年11月から始まりました。労働組合(CUPW)は給与24%増、病気休暇制度の改善、週末配送の人員構成などを求めましたが、カナダポスト側は最大11.5%の昇給しか認めず、交渉は長期にわたって停滞。

2024年11月には合法的なストライキが実施され、全国で1,000万個以上の荷物が滞留しました。今回も、交渉に進展がないまま期限(5月22日)が近づいており、再び配送インフラが混乱する恐れがあります。

 

 2.実際に起こればどうなる?民間・ECへの影響

  • 個人・行政サービス:パスポート、医療、年金関連の重要郵便の配達に大きな遅延が生じます。特に郵便に依存する地方や高齢者にとって大きな影響となります。

  • EC物流:eBayやEtsyなどのプラットフォームで販売している日本企業・セラーは、納期の遅延や顧客トラブル(クレーム、返金、低評価)につながるリスクが高まります。

 

 3.昨年の教訓でリスクは軽減される

今回のストライキは、昨年のような「ホリデーシーズン直撃」ではない点が救いです:

  • 物流業者・セラーは事前準備済み
    多くの事業者がすでにUPSやFedExなどの代替配送ルートを確保し、リスク分散を進めています
    プラットフォーム側も注意喚起を強化しており、納期延長や通知ツールなどで対応中です。

  • 5月は繁忙期ではない
    配送量が比較的少ないこの時期であれば、物流の柔軟な再編成が可能となり、大規模な混乱にはつながりにくいと予想されます。

 

 4.雲途物流の迅速な対応策

雲途物流では、日本発のカナダ向け荷物について以下の対策をすでに実施:

  • Canada Post利用の停止:5月14日から新規出荷受付を停止

  • 代替配送手段の導入:カナダ国内の98%以上の郵便番号をカバーするルートに切り替え可能

  • リスク地域の注文回避:配達不可・超過料金が発生する地域の郵便番号を自動で検出・ブロック

  • 配送不可の自動通知・対応:物流業者の判断によって出荷不可となった場合も、雲途から迅速に対応連絡

 

おわりに

ストライキは依然としてリスク要因ではありますが、昨年の教訓と市場の学習効果により、今回はより限定的な影響に留まると見られます。

日本のセラーの皆様は、ぜひ早めに出荷ルートの確認、顧客へのアナウンス、物流パートナーとの連携を進め、万全の対策を講じましょう。