May 15, 2025
カナダ郵便ストライキ決定:越境ECへの影響と雲途物流の対応策
2025年5月23日(金)未明より、カナダ郵便(Canada Post)が全国規模のストライキに突入することが正式に決定されました。これは、2024年末に続く半年以内で2度目の全国ストライキとなり、再び配送インフラと越境EC物流に大きな影響が及ぶことが懸念されています。
本記事では、今回のストライキの背景、影響、そして雲途物流が講じている対応策についてまとめました。
ストライキの背景と経緯
カナダ郵便の労働組合(CUPW)は、5月20日(月)に72時間のストライキ予告通知を提出し、5月23日(金)からの実施を正式に宣言しました。
本件は、2024年末の労使対立の延長戦とも言えるもので、政府による一時的な復職命令で延長されていた旧契約の期限(2025年5月22日)を過ぎたことにより、再び争議が激化しています。
組合側は、郵便配達員23,000人の労働条件改善を要求しており、一方カナダポスト側は深刻な経営赤字(2023年に8億4500万カナダドル)と累積債務の中でコスト削減を急いでいます。
今回のストライキで想定される影響
一般市民・行政サービス
-
パスポートや医療関連書類、年金通知など、重要書類の配送が全国的に停止または大幅遅延。
-
動物輸送、福祉給付金など一部サービスのみ配達継続。
-
新規郵便物の引き受けは全面停止されます。
EC・ビジネス物流
-
eBay・Etsyなどを利用する日本のセラーは、配送遅延や顧客からのクレーム増加、返品・返金対応の負担が予想されます。
-
カナダ国内の一部地域では配達不能となる可能性もあるため、事前対策が不可欠です。
雲途物流の対応策
雲途物流では、日本発カナダ向けの越境配送に対し、以下のようなリスク回避措置を既に実施しています:
-
Canada Post経由の出荷受付を5月14日より停止
-
UPSなど代替手段へ切り替え済み(カナダ国内98%以上の郵便番号をカバー)
-
高リスク地域の自動フィルタリング機能を導入し、配送不可や追加料金の発生を事前にブロック
-
配送不可時の自動通知・注文処理のサポート体制を整備
今後の展望とセラーへのアドバイス
現時点では、ストライキの期間が週末限定か、それ以上に長引くかは未定です。交渉が継続されているため、状況は流動的です。
日本の越境ECセラーの皆様は、以下の点にご留意ください:
-
事前に代替配送ルートを確保
-
顧客に対して配送遅延の可能性を周知
-
物流パートナーとの連携強化で柔軟な対応を図る
おわりに
今回のストライキは避けられない現実となりましたが、昨年の経験と事前対策の積み重ねにより、混乱を最小限に抑えることは可能です。状況が変化した際は、雲途物流の公式チャンネルを通じて随時情報を更新いたします。どうぞご安心の上、お取引をお進めください。